推理小説家の躑躅森/ヘルガー♂と
学生殺人鬼の三日月/ペルシアン♂
いまだにラフから進んでないみたいなね
ごめ~~~~ん!!!!!!(ダブルピース)
追記で
漫画にしようと思ったけど無理臭かったんで
台詞にその他をつけたしたSS
そいつは自ら「人殺し」だと名乗った。
どこにでもいそうな、ただ少し背の高く穏やかな雰囲気の青年だった。
いつだったか書斎の窓を横切った白い野良猫に似ている。
やたらに小奇麗な恰好をしているその青年は、
俺の書いた小説の殺しの手口を真似て赤の他人を殺したのであると、そう言った。
「何を馬鹿な事を」
大げさに嘲って否定すればそいつは不気味な程素直に笑った。
「いいえ、殺しました。5人ばかりを」
「吾輩に興味を持って欲しいのか」
「そりゃあそうです、あなたの書いた殺人だもの」
「他を当たれ 貴様の出任せに付き合う気は無い」
不快を隠しもせず雑に突き放すと、そいつは突然笑みを消した。
そうして少し黙っていたが、また口を開くと
今までの殺人の初めから終わりまでを饒舌に語りだした。
それは事細かに、殺しの手筈を整え、機会をうかがい、
息の根を止める瞬間の様子までを淡々と。隅々まで。
時々此処はこうした方が好かった、等と
不満を漏らしつつ殺人の経緯を語り、
3人目の殺人を語り終えると、またにこにこと笑みを浮かべた。
「寸分も間違っていなかったでしょう あなたの中の殺人と」
「・・・気味が悪い さっさと失せろ」
「お望みならばもっと殺しますよ」
頭がどうかしているのか、こいつは。
今までに見た、ただ自分の小説を愛読している者とは違う。
とにかくこの場を離れたくなったが此処は自分の書斎であり、
出口を通るにはこいつの傍を通り抜けねばいけない。
酷く恐ろしく思えた。
「先生」
はっとして顏を上げた。
何の罪悪もないような目でこちらを見ている。
「先生は、自分が殺されるとでもお思いですか」
「・・・さぁ、どうだか」
そう言うと、はは、と声を上げて笑った。
増々不気味だった。背筋を冷たい汗が伝う。
「殺しはしませんよ、あなたの小説が読めなくなるのだから」
「殺人鬼の言葉など信用できないな」
「ふふ、用心なお人ですね、先生。
僕は確かに何人も殺してきましたがね、
人の息の根を止める事には何の愉悦も感じないのです。
首を締める感触も血の匂いも不快でさえあります。
わかるでしょうか、先生。
紙とインクで綴られた喜劇悲劇がこの世に存在できるものとしたら
どんなに素晴らしいだろうと、僕は思ったのです。
ただ其れだけの事なのですよ」
少しも表情変えずに言い終わった時、
ああ、こいつは殺人鬼であるのだな、と確証もなく悟った。
つまりは常人の理解の届かない、知らない所に愉悦を見出している。
そのためには手段を厭わないのだ。そうして人を殺す。殺してしまう。
今度は酷く可笑しく思えた。
「・・・それで、吾輩にどうして欲しい」
「どうもありませんよ ただあなたの書くお話の素晴らしい事だから、こうして会いに来たのです」
「吾輩を殺しはしないのか」
「そうですね・・・たとえば先生が、
名のある小説家が殺される物語をお書きになったのなら、殺すかもしれません。
そうなってみないと解らないのですもの」
また、初めに見せたような穏やかな笑みを浮かべた。
どうかしている。
そうわかってはいるけれど、何故か興味が湧いてきた。
今まで作り話の中でしか存在していなかった
空想の殺人鬼が、今目の前に居る。
自分と会話をしているのだ。
「また来てもいいですか 先生」
「その頃にはもう貴様は捕まっていると思うがな」
「捕まっていなければ来てもいいのですか」
「・・・好きにしろ」
先程までの恐怖は少しも残っていなかった。
そればかりか、好奇心がそれに打ち勝っている。
「ではまた、近いうちに」
